第一豊田荘ロータリー

JR中央線豊田駅南口近くの住宅地内にロータリー交差点がある。中央島には噴水池を兼ねた防火水槽(消防水利)が配されている。警戒標識「ロータリーあり(201の2)」は設置されていないが環道は一方通行で規制されている。また、環道進入時に一時停止の規制はない。環道に面して住戸の駐車場がある点が難ありだが、ラウンドアバウトに指定されてもおかしくない印象がある。

第一豊田荘専用水道利用者会なる団体が運営するウェブサイト(「水道利用者会」ってだけでもすごいのにウェブサイトがあるなんて感激モノ)によれば「1941(昭和16)年に日野重工業の社宅として作られた」住宅団地とのこと。日野重工業とは日野自動車の前身である。ロータリー交差点中央島の噴水はその水道の調整池等ではなさそうだが、社宅建設当初から存在していることが過去の空中写真で読み取れる。

第一豊田荘(だいいちとよだそう)とは昭和の六畳一間のアパート的な印象を持つが、戦前までは「荘」は威厳があった文字だ。

中央島内の噴水には、ブリュッセルのものを真似たと見られる小便小僧が設置されている。ブリュッセルの像よりも哲学的な表情で、由縁を知りたいものだ。世界の彼方此方に設置されている小便小僧のように季節ごとに服を着替えるのだろうか。

路線市道
所在地東京都日野市豊田4丁目
完成時期1941(昭和16)年
実走行日2020-08-01
全景写真
第一豊田荘ロータリーを北西側から眺める。警戒標識「ロータリーあり(201の2)」は設置されていないものの、環道は一方通行で規制されている。
北側から眺める。接続路は狭隘な道路だが、一方通行ではない。
第一豊田荘ロータリーを東側から眺める拡大する
東側から眺める。この接続路は西向きの一方通行である。小便小僧がこちら(東)を向いているのは何か謂れがあるのだろうか。
第一豊田荘ロータリーを南側から眺める拡大する
南側から眺める。この接続路がメインストリートらしく、2車線分の幅員がある。
南西側から眺める。この接続路は西向き一方通行のため、見える範囲に標識がない。
哲学的な顔つきの小便小僧。いつ設置されたものだろうか。
中央島の池(防火水槽)脇に建てられた、東京オリンピック記念樹を示す標柱。昭和39年の大会だろう。昭和15年の大会は昭和12年に返上が決定しており、その頃には第一豊田荘はなかった。残念ながら、記念樹は枯れてしまったようだ。
2019年夏に噴水池の清掃と再塗装が行われたとのこと。
だが、底部の形状はよくわからなかった。残念。

空中写真で比べる第一豊田荘ロータリーの戦前・現代

1944(昭和19)年12月21日
2017(平成29)年08月24日

左:1944(昭和19)年12月21日 日本陸軍撮影
右:2017(平成29)年08月24日 国土地理院撮影