和泉府中駅前ラウンドアバウト

JR阪和線 和泉府中駅東口の駅前広場接続交差点がラウンドアバウトに改修された。

老朽化した木造平屋建ての住戸が密集した駅東口の南寄り区域を再開発し、合理的で高度な土地利用を図るべく、2000(平成12)年11月(事業計画認可)から2015(平成27)年2月(事業完了)の期間で、和泉府中駅東第一地区市街地再開発事業が実施された。この事業により新駅舎は橋上駅舎になり、以前の駅舎前にあったロータリー交差点が廃止された。

ところが、「現在の和泉府中駅前の交差点は、右折禁止の交通規制がされており、車両は左折でしか出ていけない状況です。また、歩行者が交差点内を乱横断するなどの問題点がありました。」(広報いずみ710号 2018(平成30)年2月1日発行 裏表紙) という事態を解決すべく、駅前広場と南側市道の交差点が2018(平成30)年1月29日から3月23日に改修施工された。大阪府公安委員会の指定は2018(平成30)年2月23日付で、実際の供用開始もその頃だった模様。当初の計画にはなかったものの、斯くして「ロータリー交差点を南へ移設して併せてラウンドアバウト化した」という非常にレアな結果になった。

泉南りんくう公園前ラウンドアバウトと同様、中央島や環道外周部に着脱式アーチ型車止めが用いられている。この交差点はだんじりの曳行ルートであり、祭礼の際には取り外すのだろう。路面に設置されているチャッターバーも着脱式だろうか?(積雪地域でチャッターバーを設置する場合は除雪対応のため着脱式が多い)

和泉府中駅前広場の変遷

1964(昭和39)年 | 1975(昭和50)年 | 2007(平成19)年 | 2022(令和04)年

1964(昭和39)年06月 写真右半分に白く見える広大な空地は1962年に丸井繊維工業工場が撤退(移転)した跡地で、和泉市が買収した。そこへ現在の「ロードインいずみ」を建設、1965(昭和40)年7月に完成した。
1975(昭和50)年03月 「ロードインいずみ」が建ち、和泉府中駅前が最も活気があった頃と思われる。駅前広場が小さく、バスをどのように捌いていたのか気になる。
2007(平成19)年07月 駅舎前の旧ロータリー交差点は1990年頃に設けられ、2013年頃に廃止された。
2022(令和04)年02月 ロータリー交差点は撤去して駅前広場に変わり、駅前広場南側にラウンドアバウトが設けられた。

整備前の和泉府中駅前ロータリー(Googleストリートビュー)


いずれの接続路にも警戒標識「ロータリーあり(201の2)」は設置されていなかったが、環道部分は一方通行で規制されていた。上の変遷の2007年の写真では府道30号大阪和泉泉南線(通称13号線)から駅前まで車列が延びている様子が見え、ロータリー交差点として機能しなかったことが短命に終わった一因だろう。

交差点情報の整理

路線市道和泉府中南通線
所在地大阪府和泉市府中町1丁目
完成時期2018(平成30)年02月23日公安委員会指定
実走行日2023-12-29
全景写真
和泉府中駅前ラウンドアバウト俯瞰拡大する
和泉府中駅前ラウンドアバウト俯瞰。着脱式アーチ型車止めや環道の立て看板により、工事継続中のように見える。
和泉府中駅前ラウンドアバウトを南東側から眺める拡大する
和泉府中駅前ラウンドアバウトを南東側から眺める。いずれの接続路にも警戒標識「ロータリーあり(201の2)」が設置されている。
南東側から眺める中央島。バスが通るので環道と横断歩道の間隔が長い。
南西側から眺める。撮影中、横断しようとする歩行者を見て停車した車はなかった。みんな結構なスピードで突っ込んでくる。
北側流出路から中央島を眺める。こちらに進入する自家用車は少ない。
北東側流入路から中央島を眺める。正直なところ、ゴチャゴチャ感は否めない。
エプロンはペイントのみ、外縁にチャッターバーが設置されているが、だんじり曳行の際には取り外すのだろうか?(外さないと危険でしょう)
この規制標識「環状の交差点における右回り通行(327の10)」も納入日と公安委員会指定日が大きく違っている。