多摩・桜ヶ丘ロータリー(ラウンドアバウト)

京王線聖蹟桜ヶ丘駅と京王相模原線・小田急多摩線の永山駅の間の丘陵が拓かれ、1962(昭和37)年に京王桜ケ丘住宅地として販売開始された住宅団地内にある5枝のロータリー交差点が、2014年9月1日の改正道交法施行とともにラウンドアバウトに指定された。デベロッパーは京王電鉄(当時は京王帝都電鉄)。

地域での通称は「桜ヶ丘ロータリー」であるが、仙台市にある桜ケ丘ロータリーと区別するため、当サイトでは「多摩・桜ヶ丘ロータリー」と表記する。

環道外径40m・中央島直径20mと十分な幅員を持つが、中央島の植栽がマツ・サクラ・エノキ等の巨木と背高のイヌツゲで覆われているため見通しはよくない。また、ラウンドアバウトでありながら全ての接続路が一時停止で規制されていたり、環道上にバス停がある等、良くない事例として名高い。元々が住宅団地のシンボル的な位置付けのロータリー交差点なので致し方ないものの、ラウンドアバウトに指定する以上は改良されて然るべきであろう。もっとも、道路としてあるべき姿を推進したい人と、今ある姿を守りたい人の間で折り合いがつくとは思えない。

スタジオジブリ制作の映画「耳をすませば」にこのロータリー交差点が登場するらしいが、私は見ていないのでなんともコメントできない。

路線市道
所在地東京都多摩市桜ケ丘1丁目80番地
完成時期1962(昭和37)年
実走行日2020-08-01
全景写真
多摩・桜ヶ丘ロータリーを北西側から眺める拡大する
多摩・桜ヶ丘ロータリーを北西側(いろは坂通り)から眺める。聖蹟桜ヶ丘駅から来るときのメインルートで、山をひとつ越えてくる。
多摩・桜ヶ丘ロータリーを北東側から眺める拡大する
多摩・桜ヶ丘ロータリーを北東側(桜ヶ丘東通り)から眺める。中央線が消された跡が残るが、車道幅員4mに中央線はあり得ない。
多摩・桜ヶ丘ロータリーを南東側から眺める拡大する
南東側から眺める。この道路の左側には数軒の商店が並び、桜ヶ丘商店街と名付けられている。
多摩・桜ヶ丘ロータリーを南西側から眺める拡大する
南西側から眺める。中央島には防火水槽が併設されている。
西側から眺める。かなりの勾配であり、北西側接続路と同様、接続前に一時停止とすることは妥当かも知れない。そもそも、こういう場所に円形交差点を設けたのはいかがなものか。と60年前の設計者に物申したところでどうしようもない。路面凍結のおそれがある冬の朝は通りたくない道である。
規制標識「環状の交差点における右回り通行(327の10)」は2014年8月25日に設置された。
環道上のバス停。バス車体がはみ出すので区画線で分けるしかないのだが、ここは交通島を設けるべきだろう。