和泉砂川ロータリー(旧砂川遊園入口)

JR阪和線 和泉砂川駅東口から100m南にロータリー交差点がある。

接続路いずれも一時停止規制されておらず、警戒標識「ロータリーあり(201の2)」も規制標識「環状の交差点における右回り通行(327の10)」もないのだが、2018年頃におそらく市が建てた「環道優先」の私設標識(看板)がある、極めてレアな交差点だ。

泉南市議会では「ラウンドアバウト」「環状交差点」「ロータリー交差点」が質疑応答された形跡がなく、標識はなんとなく設置してしまった感がある。現場を見学したところラウンドアバウトの通行方式が定着しているように見えるので、今からでもよいので公安委員会指定に向けた行政または議会・市民の行動を期待したい。

ところで、なぜここがロータリー交差点になったのか?
よくよく眺めてみると、中央島のコンクリート構造物はとても古い。中央島に櫓らしきものが建っていた痕跡もある。

調べてみると、1930年代に砂川奇勝を中心とした「砂川遊園」が観光地として整備され、和泉砂川駅はその最寄り駅だったようだ。砂川奇勝とは段丘礫層が風雨の侵食や風化によって形成された地形で土柱のようなものだろうか、砂川という地名の元になったとされる。
参考:砂川遊園とミッキーマウス

そして、当時の阪和電鉄が制作した砂川遊園の案内図を見ると、中央島に塔のようなものが建てられている。砂川遊園が開園した1935(昭和10)年(注:昭和13年説もある)にこのロータリー交差点も新設供用開始されたと見て間違いないだろう。

路線市道
所在地大阪府泉南市信達牧野
完成時期1935(昭和10)年?
実走行日2023-12-29
全景写真
阪和電鉄が制作した砂川遊園案内図。右下に注目。
砂川駅前の三叉路に中央島があり、塔のようなものが建てられている。当時からロータリー交差点として運用されていたかはわからない。
現代の和泉砂川駅東口。ネット上の情報によれば、昭和10年代に建設された駅舎が現存しているらしい。
和泉砂川ロータリーを北側から眺める拡大する
和泉砂川ロータリーを北側から眺める。以前は優先関係がはっきりしなかったが、2017年の交差点改修で「環道優先」を案内し、車線もそのように引き直された。
和泉砂川ロータリーを北東側から眺める拡大する
北東側から眺める。環道接続部の分離島はなくカラーペイントだけのエプロンだが、交通の実態としてはこれで必要十分だろう。
和泉砂川ロータリーを南西側から眺める拡大する
南西側から眺める。いずれの接続路にも警戒標識「ロータリーあり(201の2)」規制標識「環状の交差点における右回り通行(327の10)」はない。
和泉砂川ロータリーの中央島拡大する
中央島のコンクリートは見るからに古い。
一部は破壊され、どれぐらいの塔(または櫓)があったのか想像することは難しい。
ローターリー交差点前にロータリービルがあるのは全国共通仕様。