上西農免農道ループ

隠岐・島後(隠岐諸島で最大の島)のほぼ中央、皆市地区を通る農免農道にループ橋がある。

農道は1982(昭和57)年に着工し、1994(平成6)年に竣工している。その延長3,623m、有効幅員4m。うち約1,800m(島根県道316号中村津戸港線と皆市の間)は従前からあった道路を再整備したもので、残り(皆市と国道485号の間)がこの農免農道整備事業で新設された。

ループ部の工事がいつ行われたか不明だが、国土交通省空中写真や周辺の状況から、工期の最後に架設されたと推定する。カルバートではあるが、土被りが薄い(というか、ない)ので橋梁と言っていいだろう。

2007年8月30日から降り出した雨は島内全域で避難勧告が発令されるほどに強くなり、夜半過ぎには1時間で100mm以上の大雨により島内のあちこちで土砂災害が発生した。ここ皆市では神社が倒壊し、翌年にこのループ中央部に移転したそうだ。だが、由緒や祭神が全くわからぬ。祠が2基並んでいるのがちょっと不思議な感じだ。

路線上西農免農道
所在地島根県隠岐郡隠岐の島町上西
回転度270度
完成時期1994(平成6)年
実走行日2017-05-05
全景写真
島根県道316号中村津戸港線から農免農道が分岐する。青看板脇にある石碑は、1988(昭和63)年7月の豪雨被害復旧のための河川災害関連事業竣工を記念するもの。右端には、集団移転した地蔵や観音がずらりと並んでいる。その数、10尊。まるで「ようこそ皆市へ」と迎えてくれているようだ。
1枚目の写真から2.2km、いかにもループっぽい橋梁が見えてくる。その高さ、およそ6m。
上西農免農道ループ全景(1)拡大する
上西農免農道ループ全景(1)。ループの途中で皆市神社を眺める。
上西農免農道ループ全景(2)拡大する
上西農免農道ループ全景。橋梁部からループ内側を眺める。
橋梁部からループ外側を眺める。
ループを構成する橋梁全景。橋名板や橋歴板等はなかった。
祠が2基並ぶ皆市神社。
竣工記念碑は当時の島根県知事が揮毫している。