大美野噴水ロータリー

南海電鉄北野田駅の西500mに、8本の道路が交わるロータリー交差点がある。中央島には噴水がある。そのような円形交差点は、過去にはいくつかあったけれど国内ほとんどで撤去されており、現存している物件は珍しい。そんな非凡さを知ってか知らずか、駅からロータリー交差点の間のわずかな商店街が「ファウンティン通り」と名乗っている。

ここ大美野は関西土地会社が1931(昭和6)年に開発・分譲した、泉北でも指折りの歴史がある住宅地である。第一期の開発に先立ち、ヨーロッパを視察した同社技師の下村喜三郎氏による宅地設計とのこと。中央島の噴水は分譲当初から存在していたそうだ。当時の噴水はどんな構造だったんだろう?

また、噴水ロータリーの北200mの交差点は、現在では一般的な六差路であるが、ある時期(おそらく分譲当初から1960年代後半まで)には中央島が設けられていたらしい。さらに、大美野住宅地第二期エリア、登美丘西小学校の北東交差点とその200m北の交差点もロータリー交差点とされる計画があったようだが施工は見送られた模様。

東西方向の道路(府道36号)は一時停止の規制がなく、それ以外の道路は一時停止となっている。そのような通行が定着していること、環道内にバス停があること、8枝の交通量に大きな差があること等が、環状交差点に指定されていない理由だろうか。

カテゴリーロータリー
路線府道36号泉大津美原線
所在地大阪府堺市東区大美野
完成時期1931(昭和6)年
実走行日2018-01-06
全景写真
大美野噴水ロータリーを東から眺める拡大する
南海電鉄北野田駅から徒歩7分、噴水のあるロータリー交差点がシンボルの大美野住宅地。正面左の大美野幼稚園は分譲直後に開園している。
南東から眺める。右のお宅の生垣・カイヅカイブキ(貝塚息吹)が立派で、路側帯を覆う勢いだ。
南から眺める。幅員6mであるが、道路両側の電柱がオフセットされていないため、この位置での自動車の離合は少し気を遣う。
南西から眺める。この道路も幅員6mだが、道路両側の構造物が少ないので狭さを感じない。
大美野噴水ロータリーを西から眺める拡大する
大美野噴水ロータリーを西から眺める。一時停止の規制はなく、この道路が優先道路であるが、交通量はそれほど多くない。
大美野噴水ロータリーを北西から眺める拡大する
大美野噴水ロータリーを北西から眺める。阪和道への抜け道なのか、この道路の交通量が多い。
北から眺める。
北東から眺める。なぜかここだけ一時停止標識が最新版だった。
主要道路には方面案内の青看板が設けられている。
環道は一方通行で規制されている。
環道にバス停がある。
この日、中央島の噴水はお休み。運転時間帯は決まっているのだろうか?
大美野噴水ロータリーの北200mにある六差路を北東から眺める。正面左の平屋建ては日本基督教団登美丘教会。昔はこの交差点にも中央島が設けられていたらしい。