豊岡大橋自歩道橋

かつての国道178号は立野大橋~立野橋~市役所前~豊岡駅前~五荘大橋(JR山陰本線跨線橋)を経由して下陰池ノ内交差点に至っていた。豊岡駅周辺の道路混雑を回避するため都市計画道路下宮下陰線として市街地の北のはずれを通る豊岡バイパスが建設され、1981(昭和56)年に開通した。その中間地点にある豊岡大橋の側道自転車歩行者道の両岸斜路がループしている。

円山川流域は水害が多く、近年で見ても10年に1~2回の頻度で洪水が発生している。1912(大正元)年9月の洪水被害を機として直轄事業で円山川第一期改修工事が行われ、その後も洪水の度に事業計画が見直されてきた。

豊岡盆地、とりわけ市街地は地盤の多くが圧密沈下層であり、過去80年で0.6m程度の地盤沈下があって今も継続中とのこと。このため短期間で堤防嵩上げは別の問題を生むことから、本来必要とされる高さを確保できていない暫定堤防に留まっているそうだ。

豊岡大橋はこの暫定堤防約8mを乗り越えるべく車道は200mの取付区間が設けられているが、自転車歩行者については堤防のすぐ際でループを描くことにより迂回する感覚を和らげることを狙ったようだ。

豊岡大橋架橋から40年経過したいま、地盤は0.3m沈下したのだろうか。橋の取付部はどうやって地盤沈下を吸収しているのだろうか。しっかり見ておかなかったことが悔やまれる。

路線国道178号
所在地兵庫県豊岡市宮島
回転度525度+270度
完成時期1983(昭和58)年
実走行日2024-05-04
全景写真
豊岡大橋自歩道橋左岸側斜路を堤防上から眺める拡大する
豊岡大橋自歩道橋左岸側斜路を堤防上から眺める。なかなかの急勾配。
豊岡大橋自歩道橋左岸側斜路を橋上から眺める拡大する
左岸側斜路を橋上から眺める。斜路には融雪装置が設けられている。
豊岡大橋自歩道橋右岸側斜路を下から眺める拡大する
豊岡大橋自歩道橋右岸側斜路を下から眺める。右岸側の堤防は裏法面勾配が緩いことにより、ループの回転数が左岸よりも少ない。
豊岡大橋自歩道橋右岸側斜路を別角度から拡大する
右岸側斜路を別角度から。橋桁直下に融雪装置はない。
豊岡大橋自歩道橋の主桁部はおよそ350m。前後の斜路を含めると550mほどあり、徒歩なら渡り切るのに7分かかる。長い。
橋名板は歩道側に取り付けられている。
車道の供用開始が先行した可能性があるが、どこを探しても開通時期や渡り初めに関する記録がない。

参考資料