東京横浜電鉄(現在の東急株式会社)が大正末期~昭和初期に小杉・元住吉・綱島・太尾・菊名・日吉・等々力等の社有地を住宅地として造成した。そのひとつ、ここ菊名分譲地は街の玄関とも言える場所にロータリー交差点を設けた。
住宅団地の中心部に円形交差点を設ける手法は大阪府吹田市の千里山が国内最初の事例である。残念ながら千里山はロータリー交差点と言うには少々無理がある構造で、実質的にはここ菊名分譲地が「住宅地内のちゃんとしたロータリー交差点」の第1号と言えそうだ。
「ちゃんとしたロータリー交差点」の最初は1924(大正13)年頃に作られた兵庫県豊岡市の寿ロータリーだが、そちらは住宅団地ではなく、土地区画整理の一環として設けられたもの
現地を訪問して納得。接続する5枝のうち4枝の勾配がすごい。いわゆる谷戸の底にあたる場所にロータリー交差点を設けている。表向きの目的は道路交通の整流化と住宅地のシンボルとすることであろうが、本音は豪雨時の排水経路確保ではないだろうか。
接続路の1本を除いてはいずれも狭隘な道路であるが故にここをラウンドアバウトに指定できなかったか、あるいは自治会の賛同を得られなかったか。
路線 | 市道菊名第134号線/市道菊名第227号線/市道菊名第228号線/市道菊名第216号線/市道菊名第207号線 |
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所在地 | 神奈川県横浜市港北区錦が丘 |
完成時期 | 1927(昭和2)年 |
実走行日 | 2025-02-24 |
全景写真 | |
![]() 錦ケ丘ロータリーを北東側(住宅団地入口側)から眺める。この接続路は幅員が広いが、他の接続路はいずれも狭隘だ。また、この接続路は一時停止の必要がない。 ![]() ![]() ![]() ![]() |