酪農学園大学ロータリー


北海道江別市の酪農学園大学敷地内にロータリー交差点がある。
地図で見つけた時点では「大学キャンパスのロータリーか、どうせ高度成長期のどさくさでいろいろ作ったうちのひとつだろう」と思ったが、違った。

大学が公開している学園史を一通り読んでみたが、ロータリー交差点を設けた経緯や意図に関する記述は見つけられなかったものの

  • この学校の前身である「酪農義塾」が1942年に購入した土地である。
  • 耕馬を用いた大規模営農の調査研究が行われていた。
  • 新キャンパスの施設配置計画に知見と手腕を発揮したと考えられる教員、中曽根徳ニ氏と野喜一郎氏は1930年代後半に相次いでデンマークへ留学している。
  • この学園史三(2013年刊)の487ページには現在地にキャンパスを開いてからの空中写真が年を追って並べられており、1948年時点で存在を確認できる。旧国道27号(現在の国道12号)に接続する唯一の道路であった。

ことがわかった。これらから推測するに、キャンパス整備工事や実習に伴う大型機材搬入路確保を目的として、馬橇或いは将来の自動車が円滑に通行できるよう円形交差点を設置したのだろう。1943年頃から相次いで教職員生徒の徴兵応召があったことを考慮すると、キャンパス整備のモチベーションが生まれた戦後すぐの頃の設置と考えるべきか。

道内に設置された円形交差点としては、旭川常盤ロータリー(1936(昭和11)年設置)、小樽・桜町ロータリー(1938(昭和13)年設置)に次ぐ3件目であり、先進的な姿勢を伺うことができる。
大学キャンパスであることから、ここが環状交差点(ラウンドアバウト)に指定されることはないだろうし、その運用になるとも考えにくいが、全方向からの流入が一時停止で規制されているロータリー交差点は道内唯一(2017年9月現在)であり、環状交差点(ラウンドアバウト)に近いロータリー交差点といえる。

カテゴリーロータリー
路線構内道路
所在地北海道江別市文京台緑町
完成時期1946年頃?
実走行日2017-07-16
全景写真
旧国道27号(現国道12号)からキャンパスへ直接の車両進入路は昔からこの道路のみである。
旧国道27号(現国道12号)側からアプローチしたときの眺め拡大する
旧国道27号(現国道12号)側からアプローチしたときの眺め。路肩には道路標識令(道路標識、区画線及び道路標示に関する命令)に定められる「ロータリーあり(201の2)」と同じ警戒標識が設置されているが、中央島に設置されている警戒標識は酪農学園大学オリジナルだ。
北東側からの眺め。中央島に設置された警戒標識は、この向きのみ酪農学園大学オリジナルではない。
南東側(付属動物病院側)からの眺め。
南西側からの眺め。全方向とも一時停止で規制されているとともに、右回りを誘導している。
国土地理院が公開する1947年9月米軍撮影の空中写真。現在と同じ位置・ほぼ同じ大きさの円形交差点を確認できる。