穂高高原温泉郷の円形交差点群

JR大糸線有明駅の西4kmにある穂高高原温泉郷と周辺別荘地に6件の円形交差点がある。

北アルプスの端、富士尾山の麓に広がる扇状地の扇頂にあたる地で、明治まで原野だったが大正年間に旧陸軍松本歩兵第50連隊 有明演習場になった。戦後は復員軍人や引揚者が入植したものの手つかずだった区画があり、1969(昭和44)年に京信産業と立正佼成会系の立花産業が中房温泉から引湯して温泉付き別荘地の造成計画を穂高町に申請したことから高原リゾートとしての開発が始まった。

立花産業が1970年に小岩岳、1972年に豊里(アルペン穂高)という2つの別荘地を開発しており、その中に5件の円形交差点がある。また、小岩岳別荘地の近くにもう1件、円形交差点とは言いにくいものの円形の中央島があるので、併せて記録する。

円形交差点情報の整理

路線(1) 市道穂高0735号線/市道穂高0731号線
(2) 市道穂高0733号線/市道穂高0737号線
(3) 市道穂高0762号線/市道穂高0763号線
(4) 市道穂高0762号線/市道穂高0764号線
(5) 市道穂高0528号線/市道穂高0808号線
(6) 市道穂高0975号線/私道
所在地

長野県安曇野市穂高有明
(1) (2) (3) (4) (5) (6)
完成時期(1) (2) 1970(昭和45)年
(3) (4) (5) 1972(昭和47)年
(6)
実走行日2023-11-05

小岩岳別荘地

一帯を別荘地として開発したさきがけの地に置かれた石銘板。「穂高高原温泉郷」の範囲がどこか、実はよくわからない。

(1) 北東

小岩岳別荘地北側の円形交差点拡大する
小岩岳別荘地北側の円形交差点を北東側から眺める。富士尾山麓扇状地なのでこの傾斜。

南東側から眺める。回転方向は案内されていないが、通過する車両はどれも躊躇することなく右回りで抜けていく。

南西側から。なかなかの急勾配。

北西側から。中央島にある緑色の箱は凍結時の滑り止め砂置き場だ。

(2) 中央

小岩岳別荘地中央の円形交差点拡大する
小岩岳別荘地中央の円形交差点を東側から眺める。ここにも滑り止め砂置き場が。円形交差点を通過するためにハンドルを切らざるを得ないが、凍結時にハンドルを切ると滑る罠。

南側から眺める。こちらも回転方向は案内されていない。

西側から。中央島には街灯柱が立っているが、街灯は機能しているのだろうか。

北側から。この傾斜はちょっと考えもの。

豊里(アルペン穂高)別荘地

(3) 温泉公園ロータリー(北東)

豊里(アルペン穂高)別荘地の温泉公園ロータリー拡大する
豊里(アルペン穂高)別荘地の温泉公園ロータリーを東側から眺める。ここが事実上の穂高高原温泉郷メインエントランスだ。

南側から眺める。この地は傾斜がほとんどない。

西側から。この円形交差点は視線誘導標と路面ペイントで右回りを案内している。ただし規制標識も警戒標識「ロータリーあり(201の2)」もない。

北側から。中央島の植栽が豊かだが、見通しは悪くない。

中央島に置かれた昭和52年8月建立の引湯記念碑。

引湯記念碑があるんだから足湯にすれば?(中央島だから人寄せはよくないな)

(4) 中央

豊里(アルペン穂高)別荘地中央の円形交差点拡大する
豊里(アルペン穂高)別荘地中央の円形交差点を東側から眺める。

南側から眺める。路面の浮き砂が多いが、これは滑り止めではなく大雨による土砂流出だろうか。

この交差点も視線誘導標と路面ペイントで右回りを案内している。

温泉公園ロータリーから300mしか離れていないが、すでにこの傾斜。バイクではあまり通行したくない円形交差点だ。

(5) 南

豊里(アルペン穂高)別荘地南の円形交差点拡大する
豊里(アルペン穂高)別荘地南の円形交差点を北側から眺める。この円形交差点は3枝だ。

東側から眺める。路面ペイントはないが、視線誘導標で右回りを案内している。

南側から。中央島が殺風景だが、過去の空中写真を見ると植栽があったらしい。手入れに難儀して防草シートを敷き詰めたと見るべきか。

別荘地名不詳

小岩岳別荘地や豊里(アルペン穂高)別荘地から少し離れた場所に、円形交差点と言ってよいか微妙な交通島がある。隣接する地に「天満沢学者村」と「温泉付別荘地有明苑」の看板が出ていたので、ここは穂高高原温泉郷別荘地ではないだろう。いつ頃に造成・分譲されたものか調査しきれていないが、接続する3枝のうち、環道と西の道路は市道であることを確認している。他の2枝は私道と私有地だ。そして、環道に面して神社がある。

(6) 岩戸開き神社前

岩戸開き神社前円形交差点を西側から眺める拡大する
岩戸開き神社前円形交差点を西側から眺める。中央島に立つ配電盤?スイッチボックス?はロードヒーティングか?周辺の街灯制御か?じっくり眺める雰囲気でなかったのが残念。

岩戸開き神社前円形交差点を東側から眺める。この右側に鳥居があり、参道が環道に接続している。日曜朝9時ちょうどに訪問したためか、神職が奉仕されていた。こちらの神社の広報部が「ゆる神職ブログ」なる全然ユルくないブログを公開されている。興味があるようなないような・・・