大薮町ラウンドアバウト

可児市との市境に近い多治見市の北西部にある市道交差点がラウンドアバウトに改良された。

第一報は2018(平成30)年04月16日の建通新聞だった。

報道では具体的な位置が分からなかったものの、空中写真を見れば事故が頻発していそうな路面ペイントがあったのですぐにわかった。実際、月に1件ぐらいは事故が発生していたらしい。

現場は見事なほどに平坦で真っ直ぐな道路が直角に交わる。典型的な田園型交通事故発生交差点だ。東西方向の道路には一時停止の標識が2枚掲げられているにも関わらず、一時停止しない車が多いということ。一時停止しないほうが悪いと言えば事故が防げるわけではなく、何らかの対策が求められてきた中で各所でのラウンドアバウト導入結果は魅力的に見えたに違いない。

中央島はシンプルながら凝った意匠が施されている。多治見はモザイクタイルの生産量が日本一で、現場近くの神明神社「大薮のしだれ桜」に着想してデザインしたとのこと。
施工したエクシィズのレポート : その1:製作編 その2:施工・完成編
多大な労力がかかっていることになんとも驚いた。

交差点情報

路線(東西)市道912600線/(南北)市道914800線
所在地岐阜県多治見市大薮町字八幡前
完成時期2022(令和4)年12月15日付公安委員会指定
2023(令和5)年03月25日供用開始
実走行日2023-10-08
全景写真
(特記していない写真は2023年10月8日撮影)

北から眺める

大薮町ラウンドアバウトを北側から眺める拡大する
大薮町ラウンドアバウトを北側から眺める。まず目を引くのは蛍光黄色の警戒標識「ロータリーあり(201の2)」だ。蛍光色は一時的に設置される標識に適用されると思っていたが、そういわけではなさそうだ。
中央島に接近してみる。中央島がオフセットされているように見えるが、分離島(接続路の車線分離)のほうをオフセットしている。
(2022年5月3日撮影)なんと素晴らしい直線道路!

東から眺める

東側から眺める。なんとクッションドラムまで置くとは、現地説明会でかなりの不安を訴えられたか?
大薮町ラウンドアバウトを東側から眺める拡大する
東側から中央島に接近してみる。こちらから見ると中央島が北側へオフセットされている。
(2022年5月3日撮影)2枚も一時停止標識があるのに止まらない車があったということだ。ちょっと考えられないぞ。

南から眺める

大薮町ラウンドアバウトを南側から眺める拡大する
南側から眺める。もっと緩やかに車線遷移できるだろうに、なんでこんなに急な形にしたのか?減速を促すためだろうか?
南側から中央島に接近する。
(2022年5月3日撮影)事故が長期にわたって頻発していたからだろう、交差点が赤くペイントされ、それが剥がれていた。

西から眺める

西から眺める。どうにも、分離島と中央島のオフセット基準がよくわからない。それぞれの道路進行方向の交通量を分析してこのような配置にしたのだろうか。
「ゆずれ」の法定外標識も蛍光黄色。ここまでしないといけないのかな?
(2022年5月3日撮影)このとき、ラウンドアバウト化工事が既に始まっていた。(写真左側に注目)

中央島

中央島には、あまりに抽象的すぎてよくわからないオブジェ。帰宅後に調べてみたら、国際陶磁器展美濃をはじめ様々なコンテストで金賞やグランプリを獲得している多治見市の陶芸家・加藤智也氏の作品とのこと。
「大薮のしだれ桜」に着想した、桜吹雪を連想させるタイルアートとのことだけど、こちらも手間暇かかってます。
エプロン端は歩車道境界ブロック?だけど、なんと直線のブロックを繋いだ多角形型。曲線である必要はないけれど、美しくないぞ!