釜戸横断歩道橋

瑞浪市の東部、旧釜戸中学校前の国道19号を跨ぐ横断歩道橋の両端がループしている。

通学の安全確保のために架けられたことは容易に想像できるが、そのきっかけは何だろう?

1953(昭和28)年 釜戸中学校、釜戸町3361-3に移転(閉校時の位置)
1954(昭和29)年04月 周辺7町村が合併して瑞浪市発足、釜戸村廃止
1960(昭和35)年頃 国道19号経路を国鉄中央西線の南側(下街道)から北側(現経路)へ変更
1968(昭和43)年05月 釜戸横断歩道橋完成
1968(昭和43)年10月 中央西線複線化(瑞浪-中津川間)開通
1973(昭和48)年03月 県道322号(現421号)武並土岐多治見線認定(国道19号旧道)
2019(平成31)年03月 釜戸中学校閉校

てっきり国道19号の経路変更に伴って通学路の安全を補償する意図で架設されたと思っていたが、時間軸が少々合わない。やはり、昭和40年代に入って自動車交通が爆発的に増えたことで安全確保に迫られたということだろう。

中学生が渡る想定なので自転車用スロープが付いている。スロープの両側に階段がある形式は歩道橋では珍しくないが、螺旋階段歩道橋では駄知横断歩道橋大縄場大橋ループ階段しかなく、2023年12月までに訪問した物件の中では両端がループしているのはここ釜戸横断歩道橋だけだ。

釜戸中学校が閉校された今、この歩道橋は存在価値を失いつつある。瑞浪市の鶴城交差点から恵那市の槙ヶ根交差点付近までの区間で、リニア中央新幹線開業の地域振興に寄与することを目的に国道19号瑞浪恵那道路(瑞恵バイパス)が計画されており、そちらが開通すれば釜戸横断歩道橋は撤去されるかも知れない。

路線国道19号
所在地岐阜県瑞浪市釜戸町
回転度405度+450度
完成時期1968(昭和43)年5月
実走行日2023-10-08
全景写真
釜戸横断歩道橋全景拡大する
釜戸横断歩道橋全景。国道19号を走っているとおよそ歩道橋とは無縁のように思える場所で唐突に現れる。
北側昇降階段。中学生が渡る想定なので自転車用スロープが付いている。
北側昇降階段を南側から眺める。門型橋脚のように見えるが、脚の太さが異なる珍しい形式だ。
釜戸横断歩道橋南側昇降階段拡大する
釜戸横断歩道橋南側昇降階段。スロープの両側に階段がある螺旋階段歩道橋は珍しい。
南側昇降階段を北側から眺める。歩道橋の階段は
(1) 階段部と橋桁を支える橋脚はそれぞれに設ける
(2) 橋脚が桁と階段を支える
いずれかに分類できると思っていたが、釜戸横断歩道橋はどちらの特性も持つ特異な構造と言えるだろう。
橋歴板。製作は栗本鐵工所だろうか?読めないな。