創成川通・螺旋階段歩道橋群

札幌の都市開発において南北方向の基線となった道路が創成川通である。江戸時代、幕府の役人であった大友亀太郎が指揮して開鑿した「大友堀」が、1874(明治7)年に「創成川」に改名された経緯を持つ。その創成川通には横断歩道が設けられているものの、基幹道路であるが故か待ち時間が長く、急ぐ人のために横断歩道橋を架けたのだろう。札幌市内区間の架橋は5件で、そのうちの3件は階段がループしている。しかも、自転車等の利用を想定していない階段式だ。

創成川通の歩道橋は橋桁中央部に設けられている踊り場がポイントだろう。歩道橋利用者は意外に多く、橋上ですれ違うことになる。横幅が広い人同士であっても安全を確保するための待避所なのだろうか。(断じて違う、と思う)

いずれの横断歩道橋も橋歴板には1972(昭和47)年3月完成とされているが、実際には1月には供用が開始されていたと想像する。アジア初の冬季オリンピックである札幌オリンピックの開催期間は1972(昭和47)年2月3日から13日であった。

カテゴリー螺旋階段歩道橋
路線国道5号
所在地北海道札幌市北区・東区・中央区
完成時期1972(昭和47)年3月
実走行日2017-10-23
全景写真
3件の横断歩道橋を北から順に記載する。

創成川通北8条歩道橋

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創成川通北8条歩道橋全景。JR札幌駅北口近くにある。両側の階段がループしている。札幌市街を形成する基になった「大友堀」は、ここから上流(南側)は創成川通に沿って延びていた。下流(北側)はこの交差点付近で北東へ向きを変えていた。現在の道道273号は概ね大友堀に沿ったルートらしい。
創成川通北8条歩道橋を西側の下から眺める。創成川通の歩道橋は、中央部の踊り場(写真の矢印の先)がポイントだ。
創成川通北8条歩道橋の東側ループを眺める。
橋歴板はなぜか剥が(さ)れていた。

創成川通北4条歩道橋

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創成川通北4条歩道橋全景。札幌全日空ホテル前にある。
創成川通北4条歩道橋の西側ループを眺める。
創成川通北4条歩道橋に取り付けられた青看板拡大する
歩道橋中央の踊り場は何のために設けられているのだろう?横幅が広い人とすれ違うための待避所か?
そして、創成川通北4条歩道橋に取り付けられた青看板。ここから すすきの まで約1kmなので青看板に表示する行き先としては違和感があるが、右の車線で創成トンネルに入ると すすきの へ向かうルートが複雑になる事情があるからだ。
創成川通北4条歩道橋の橋歴板

創成川通り北三条歩道橋

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創成川通り北三条歩道橋全景。西側階段だけがループしている。
西側階段にズーム。階段を含む歩道橋の設計は創成川通北8条歩道橋・ 創成川通北4条歩道橋とほぼ同じだが、照明のみ異なる意匠になっている。
心柱頂部が水平になっているのは創成川通の歩道橋の特徴か。
この歩道橋名称には違和感があるぞ。「北三条」だったり(北海道の条はアラビア数字で表すことが通例)、「通り」に送り仮名が付いていたり。なぜだ?