東武東上線朝霞台駅近くの住宅街にあるロータリー交差点。
この住宅街は、1955(昭和30)年、東京近郊とは言えかなり早い時期に分譲された区域である。その造成当初から分譲地のシンボルとして円形交差点が設けられていたと見られる。
国土地理院の空中写真で変遷を見てみよう。
1955(昭和30)/01 | 1955(昭和30)/10 | 1956(昭和31)/03 | 2013(平成25)/02
まだ畑の中の畦道のようだ。 | |
1955(昭和30)年10月 | 第一期?の造成が完了し、何軒かは建築中の模様。中央島はあるが植栽はないようだ。 |
1956(昭和31)年03月 | 第一期全戸販売完了。中央島の植栽も終わり、ロータリーとしても整備が完了している様子がうかがえる。 |
2013(平成25)年02月 | 現在とほぼ同じ。 |
中央島は当時の植栽のままかどうかはわからないが綺麗に手入れされており、周辺住民の意識の高さを感じることができる。訪問したのは朝6時前という早朝にも関わらず道路を掃いているレレレの奥さんが多くて、カメラを構えるのは大変躊躇した。
直線道路が優先道路であり、これにクランク状に交わる道路は一時停止となっている。また、ロータリーの回転方向は指定されていない。
蛇足になるが、すぐそばの六叉路交差点(三原2丁目交差点)脇には、1781(天明元)年に造立された六面石幢という希少な形式の六道地蔵がある。その前年に関東地方を襲った大水害、このあたりも大きな被害を受けたのかも知れない。地蔵造立の目的は復興祈念か衆生救済か。近くの入間市では六地蔵が置かれた交差点がラウンドアバウトになっているが、単なる偶然だろうか。
路線 | 市道374号線/市道378号線 |
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所在地 | 埼玉県朝霞市三原3丁目 |
完成時期 | 1955(昭和30)年 |
実走行日 | 2015-05-31 |
全景写真 | |
1955(昭和30)年に設けられたロータリー、今年は60周年である。 どういう発案でロータリーが設けられたのか。担当したランドスケープデザイナーの声を聞きたいが、存命でも90歳代以上だろう。 三原ロータリーの近くには六道地蔵がある。 六面石幢という形式。地蔵をまじまじと見たことはないので、珍しいものという実感がないのが本音である。 |