横浜市青葉区、JR横浜線・東急田園都市線長津田駅北側の丘陵に100戸ほどの宅地造成が始まったのは1966(昭和41)年。デベロッパーは五味商事(現存せず)で、後述する位置指定道路の指定は1968(昭和43)年3月であることから、宅地分譲開始も1968(昭和43)年と見られる。私道に面する宅地は位置指定道路の指定を受けなければ、住宅建築が許可されないからだ。
それに先立つ1964(昭和39)年に造成地の中心部に東京電力の送電鉄塔が建てられていたため、その鉄塔を囲むように道路が設けられた。1戸あたりの敷地面積は決して広くなく、高邁なコンセプトに基づく街区設計とは言い難い分譲地で、おそらく鉄塔を回避するための苦肉の策として設けられたロータリー交差点だと考えられる。
当時の状況を推定するに、分譲開始後しばらくは市道認定を受けておらず、それが故に警戒標識「ロータリーあり(201の2)」が設けられなかったのではないか。
現在は環道側に規制標識「一方通行(326-A)」はないものの、接続路側に規制標識「指定方向外進行禁止(311-B)」が設置されており、実質的※に右回り通行となっている。
※厳密に言えば、環道に面している駐車場から車を出したり環道上で転回すれば、左回りしても違反ではない。
3枝のロータリー交差点で、北側の接続路と環道は市道長津田5号線、南側の接続路が市道長津田7号線であるが、東側の接続路は市道ではなく位置指定道路(建築基準法第42条1項5号道路)の私道である。
カテゴリー | ロータリー |
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路線 | 市道長津田5号線 |
所在地 | 神奈川県横浜市青葉区恩田町 |
完成時期 | 1966(昭和41)年 |
実走行日 | 2018-02-11 |
全景写真 | |
拡大する 南側から眺める五味団地(東京電力京浜線1・2号線 1046号鉄塔)ロータリー。警戒標識「ロータリーあり(201の2)」はない。 中央島に張り付くように設置されていた団地地図。「青葉区」「あかね台2丁目」と表記されていることから、分譲初期のものではない。 北側から眺める五味団地(東京電力京浜線1・2号線 1046号鉄塔)ロータリー。正面はゴミ集積場らしい。 東側から眺める。坂を登って環道に入ると下り坂右カーブという、バイクに対する嫌がらせのような構造だ。 この地に最初に送電鉄塔が建設されたのは1964(昭和39)年。その後1986(昭和61)年に更新され、東京電力京浜線1・2号線(275kV線) 1046号鉄塔になった。 |