樋島大橋(樋島1号橋)

八代海に浮かぶ樋島は、昭和47年まで離島であった。
対岸の天草上島・高戸港との間の900mを渡船が頻繁に往来していたが、小規模船であり、荒天時には欠航することが多かったという。

島内にあった樋島中学校は1962(昭和37)年に他1校とともに天草上島本島の龍ヶ岳中学校へ統合されたことにより、樋島の中学生はこの渡船を使って通学することとなったのを理由に架橋されたらしい。

離島架橋としては珍しく交互通行で信号制御されている。もちろん利用数調査等も踏まえた判断だと思うが、建設費をできるだけ抑える工夫として道路幅員を1車線前提にしたのだろう。

途中に分岐があって「のの字な道」の定義から少し外れているように見えるが、分岐する道路2本ともが元来た道をくぐっているから堂々のの字な道だ。

ループ部が樋島1号橋、海上部が樋島2号橋で、この2件を総称して樋島大橋と呼ぶらしい。
1号橋の概要 : 橋長100m 1971(昭和46)年完成
2号橋の概要 : 橋長187m 1972(昭和47)年完成 幅員4.5m、桁下9.0m、可航幅30m

桁下高から推定すると、20トンクラスの漁船通航を想定していると考えられる。

カテゴリループ橋
構造箱桁橋
樋島2号橋(海上部)は単径間補剛トラス吊橋
路線市道坊主島下桶川線
所在地熊本県上天草市龍ヶ岳町樋島
回転度260度
実走行日2016-05-04
全景写真
樋島大橋全景拡大する
樋島大橋全景。撮影時刻(午前8時)が中途半端だったか。逆光でどうにもならん。
坊主島側から眺める。樋島大橋は、その幅員が4.5mと狭隘であり、信号による対面通行制御が行われている。
坊主島から眺める樋島大橋拡大する
坊主島から眺める樋島大橋。正面の崖から化石が大量に発掘されたそうだ。
樋島大橋東詰を東側から眺める。対面通行制御の信号がある。ループの中央には、関東在住者にはなじみのないブランド・三菱商事石油のスタンド。
樋島大橋東詰を南側から眺める。対面通行制御の信号はここにも設置されている。
樋島側から見る樋島2号橋。
橋名板。橋の袂に設置されている橋名碑の揮毫は、天草下島出身の衆議院議員・元厚生大臣の園田直氏。
樋島1号橋の橋歴板。1971(昭和46)年10月と記されている。
当時の町長による島民へのメッセージ。そういう世相だったのか、或いは政治の力学か。今の時代の感覚では恩着せがましいと言われかねない。

龍ヶ岳頂上から眺める樋島~御所浦島・横浦島・牧島。
下の画像は上の写真の拡大で、左右にドラッグ可能。