京都市内の国道1号と丹波橋通の交差点に架けられた鉤型横断歩道橋の中央部昇降階段がループを描いている。先にレポートした伏見歩道橋の900m北に位置するので同時期の架設だろうと漠然と考えていたが、現場の橋歴板に刻まれた年月は大きく違っていた。
鉤型のうち、南北の国道に架かっている桁には1984年11月、東西の市道(丹波橋通)に架かっている桁には1989年7月と刻まれている。これは何を意味するのか?国土地理院の空中写真で変遷を追いかけて考察してみる。
下鳥羽横断歩道橋の変遷
1975(昭和50)年03月19日 | 1987(昭和62)年10月04日 | 2008(平成20)年05月07日
丹波橋通はまだ拡幅されていない。中央を南北に通る4車線の道路は京阪国道で、国道の西側に下鳥羽小学校があるので歩道橋が架けられている。 | |
1987(昭和62)年10月04日 | 丹波橋通は拡幅され、旧街道(写真左側の家屋列)まで延びている。国道も拡幅され、丹波橋通との交差点付近で右折レーンが追加されている。歩道橋の位置は明らかに移動している。国道拡幅により旧歩道橋の移設再利用は不可能と判断されたのだろうか。この時点では昇降階段はループしていないように見える。また、この時点では交差点北西隅はガソリンスタンドか或いは倉庫のような建物があるように見える。 |
2008(平成20)年05月07日 | 丹波橋通にも歩道橋が架けられていて、昇降階段がループしている様子が見える。交差点北西隅は天下一品(1号線下鳥羽店)とその駐車場に変わっている。駐車場に出入りする車と歩道橋を昇降する歩行者の動線交錯を回避するために階段の位置を変える必要があったのだろうか。 |
以上から、昇降階段がループするようになったのは、丹波橋通に歩道橋が追加された1989年7月と推定する。
路線 | 国道1号/市道伏見西部第二緯34号線/市道丹波橋通 |
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所在地 | 京都府京都市伏見区下鳥羽城ノ越町 |
回転度 | 540度 |
完成時期 | 1989年(平成元)7月? |
実走行日 | 2021-02-12 |
全景写真 | |
拡大する 下鳥羽横断歩道橋全景。鉤型横断歩道橋の中央部昇降階段がループを描いている。 拡大する 昇降階段を西側から眺める。国道側の桁と市道側の桁で仕様が異なっていることがわかる。 国道側の桁に取り付けられた橋歴板。1984年11月完成。 市道側の桁に取り付けられた橋歴板。1989年7月完成。5年間にどんな動きがあったのか。 |