砂沼パークタウン

下妻の市街地から北西3km、下妻の地ビールを製造販売するビアスパークしもつまに隣接する住宅団地に円形交差点がある。

デベロッパーを調べてみたものの情報がなく詳細不明。国土地理院空中写真により1972年に造成完了したことがわかったが、その後10年ぐらい放置されていたことから考えるに、造成完了とともに事業者が倒産したか、1969(昭和44)年6月の新・都市計画法施行に伴う市街化調整区域指定等の事情により販売できない事態に陥ったか、そんなところだろう。

周辺の開発状況を纏めてみた。1972年以前に大規模工場誘致等、人口流入の要因となるものは殆どなく、筑波研究学園都市建設の余波で住宅地造成が先行したと見てよさそうだ。

1969(昭和44)年8月 富士電気(→茨城富士→現富士電機)下妻工場操業開始
1972(昭和47)年 砂沼パークタウン造成完了
1973(昭和48)年3月 トーヨーサッシ(現LIXIL)下妻工場操業開始
1973(昭和48)年8月 東洋サッシ工業(現LIXIL)藤花工場操業開始
1973(昭和48)年11月 光和電機(→ソニー北関東→2001年撤退)下妻工場操業開始
1979(昭和54)年7月12日 砂沼広域公園開園
1979(昭和54)年 砂沼サンビーチ開業(平成30年営業終了)
1993(平成05)年 砂沼大橋完成

造成当初から「砂沼パークタウン」と名付けられていたとは思えない。砂沼広域公園開園以後のネーミングだろう。

空中写真で見る砂沼パークタウンの変遷


空中写真はいずれも国土地理院撮影

1964(昭和39)年05月19日 鬼怒川と糸繰川に挟まれた段丘末端の土地で、林だった。
1974(昭和49)年12月26日 1972年に造成が完了したが住宅建築の気配はない。
1980(昭和55)年11月18日 造成完了から8年経過してもこの状態。事業者が倒産したか、販売できない事情に陥ったか。
1986(昭和61)年10月20日 かろうじて4軒の住戸が作られたが…
1990(平成02)年11月08日 1990年代からようやく建ち始め…
2008(平成20)年10月02日 ようやくまともな住宅団地の様相になった。
2021(令和03)年05月04日 その後は再び新築されない状態が続いている。

どんな経緯で「砂沼パークタウン」と名付けられたか現地で聞き取りたかったが、連休初日の朝7時という時間帯が早すぎた。

路線市道1297号線/市道1300号線
所在地茨城県下妻市前河原
完成時期1972(昭和47)年
実走行日2023-04-29
全景写真
砂沼パークタウンの円形交差点を北側から眺める拡大する
砂沼パークタウンの円形交差点を北側から眺める。
砂沼パークタウンの円形交差点を東側から眺める拡大する
東側から眺める。中央島や各区画のパラペットは大谷石だ。このあたりならではと言えるだろう。
南側から。右奥にゴミステーションが見える。住宅地の円形交差点あるあるだ。
西側から。いずれの接続路にも警戒標識「ロータリーあり(201の2)」は設置されておらず、回転方向も案内されていない。
円形交差点の中央島は防火水槽併設型だ。
この円形交差点は tys9773 さんに情報提供いただきました。