東金町歩道橋

東京外環を構成する国道298号の東京都区間850m内にある歩道橋がループしている。

東京外環は自動車専用部と一般道路部と側道部で構成され、多くの区間で側道部に並行する形で歩道が設けられているが、江戸川渡河部(葛飾大橋)には側道がなく、側道の歩道(標高3m)から一般道路部の路盤面である江戸川土手(標高11m)の歩道へ遷移するにあたり、主に自転車のために設けられた斜路がこの歩道橋なのだ。

東京外環の一般道路部(国道298号)は上下線(内廻り・外廻り)が完全分離されており、段階的な施工で早期供用開始を狙ったので上下線の完成時期は15年以上ずれている。しかし、全体的なデザインコンセプトをしっかり固めており、この歩道橋を含め施工時期の違いを殆ど感じさせない仕上がりになっている。

構造や外見については特筆することはないが、頭上の道路橋が完成するまでは歩道橋が完成しても供用されなかったはずだし、隣接橋梁架設の都度に通行止め等の措置があったはず。詳しい情報を求めて 広報東京都 及び 広報かつしか のバックナンバーを丁寧に読み込んだが、一切の情報なし。東京外環は東京都や葛飾区にとっては重要でない事業という位置付けだったのだろうか。

ループの内側には何もない。立ち入れないようにフェンスが張り巡らされているからだ。なんともったいないという気がするが、屋根(国道298号の東金町高架橋)があり、不法占拠が大量に発生するのでやむを得ない措置だろう。

歩道橋情報整理

路線国道298号
所在地東京都葛飾区東金町7丁目
回転度270度+270度
完成時期内廻り:1984(昭和59)年7月完成
外廻り:2001(平成13)年1月完成
実走行日内廻り:1996年頃
外廻り:2003年頃
全景写真
(2022年6月26日撮影) 東金町歩道橋内廻りをループ途中から眺める拡大する
東金町歩道橋内廻りをループ途中から眺める。撮影地点の背後に東金町歩道橋外廻りの斜路がある。
東金町歩道橋内廻りを歩行者昇降階段から眺める拡大する
東金町歩道橋内廻りを歩行者昇降階段から眺める。写真の上部に交差部の橋桁が見える。ループ内側には何もない。
東金町歩道橋内廻りと外廻りをパノラマで見る拡大する
東金町歩道橋内廻りと外廻りをパノラマで見る。頭上には東京外環道(高速部)の桁がある。
東金町歩道橋外廻りを地表接続部から眺める拡大する
東金町歩道橋外廻りを地表接続部から眺める。
東金町歩道橋外廻りの斜路交差部及び斜路と昇降階段の接続部。
東金町歩道橋内廻りの橋歴板
東金町歩道橋外廻りの橋歴板

葛飾大橋北詰周辺の経年変化

周辺橋梁の位置関係は以下のとおり。
段階的に施工された様子を確認しよう。
1979(昭54) | 1984(昭59) | 1989(平01) | 1992(平04) | 2006(平18) | 2019(令01)

1979(昭和54)年09月09日 葛飾大橋(上り)の下部工施工が始まっているが、東金町歩道橋はその気配がない。
1984(昭和59)年10月22日 葛飾大橋上りは1980(昭和55)年3月に完成して供用開始済み、東金町歩道橋内廻りと東金町高架橋Gランプは完成しているはずだが、写真で見る限り上部工のみ完成で、舗装や土工部の工事が続いているように見える。
1989(平成01)年11月03日 東金町高架橋Gランプが供用されていて、葛飾大橋(上り)~東金町高架橋Gランプが東京方面一方通行、葛飾橋が松戸方面一方通行で運用されている。東金町高架橋内廻りの桁が架けられたばかり。
1992(平成04)年11月02日 東金町高架橋内廻りはほぼ完成、区画線ペイントを残すのみ。
2006(平成18)年11月10日 東金町歩道橋外廻り・東金町高架橋外廻り・葛飾大橋下りが完成・供用開始済み。
2019(令和01)年06月26日 東京外環道(高速部)が完成・供用開始済みで、一連の事業が完了した。