日本最後の城下町と言われる市原市鶴舞(1891年~1954年の千葉県市原郡鶴舞町)。1971年~1973年頃にその西端付近の山林を崩し棚田を埋めて造成された住宅地の中心に円形交差点が設置された。
ロータリー交差点で交通制御すべき道路とは言えず、住宅地のシンボルとして設置したことは明らかである。通過交通(部外者の通り抜け)は殆どないものの可能であることから、通行方法が異なる円形交差点を看過したくない意図だろうか、県内のみどり台ロータリーや有秋台ロータリーと同じく2015年3月16日に環状交差点としての運用が開始された。
1970年前後に作られた住宅地内円形交差点の多くは防火水槽併設型であるが、ここでは設置されていない。土地全体が傾斜しているが故に配置できなかったのだろうか?
「大蔵屋」はおそらくデベロッパーの会社名だろう。「オークラヤ住宅」の前身と同一かは不明。今でも区画の半分近くが売れ残っている状態で、事業として成功だったのかは少々怪しい。しかしながら、綺麗に手入れされた中央島を見てわかるように住民の意識は高い。地方都市ニュータウンはどこも似たような状況だが、高齢化対策が喫緊の課題だろう。
路線 | 市道6192号線/市道6196号線/市道6201号線 |
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所在地 | 千葉県市原市鶴舞/石川 |
完成時期 | 1972年頃 |
実走行日 | 2021-04-11 |
全景写真 | |
拡大する 鶴舞大蔵屋団地ロータリー(ラウンドアバウト)を南西側から眺める。部外者の多くはこの方向から進入する。 鶴舞大蔵屋団地ロータリー(ラウンドアバウト)を北西側から眺める。環状交差点に指定される前は環道を一方通行として規制していた。当時から警戒標識「ロータリーあり(201の2)」は設置されていない。 北東側から眺める。傾斜面に円形交差点を設けるのはいかがなものか、と思っても50年前の街区設計だからな。 南東側から眺める。当然歩行者がいると思うが、その横断は考慮されていない。いいのか? 規制標識「環状の交差点における右回り通行(327の10)」の裏側には2015年3月に設置された記録がかすかに見える。 団地入口に設置された団地看板。防火水槽はここに設置されている。 |
鶴舞大蔵屋団地内ラウンドアバウト ビフォー・アフター
左:1970(昭和45)年05月27日 国土地理院撮影
右:1975(昭和50)年01月06日 国土地理院撮影